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■鼠の妖怪[ねずみ‐ようかい]▽解説 『狗張子』巻七には「鼠の妖怪」という題の怪談が収録されています。 応仁(1467~1469)の頃、京の四条あたりに徳田某という大商人がいました。 徳田の家は富み栄えており、倉庫は貨財で満たされていました。しかし世情は不安定で、 ...

■鼠鬼女[ねずみきじょ]▽解説  『当世故事附選怪興』にて名前が挙げられている化物の一種です。 鼠鬼女は加持の札を持っている者には障りをなさず、札のない者に対しては張り込みの毒気を吐きかけるといいます。 これは「鼠木戸(ねずみきど)」をもじって妖怪の名前の ...

■頭の黒い鼠[あたま‐くろ‐ねずみ]▽解説 「頭の黒い鼠」とは頭に黒い髪が生えている鼠、つまり人の目をごまかして家の金などを鼠のように盗む人間を揶揄した言葉で、鼠ではなくどうやら人間の仕業らしいという皮肉をこめた言い回しです。奉公先の商家から金品を盗む雇 ...

■犬神鼠[いぬがみねずみ]▽解説 山口県阿武郡相島に伝わる憑物の一種です。 犬神憑きの家にいるもので、口が長い二十日鼠のような姿をしており、一家に七十五匹の群れをなしているといいます。 犬神や管狐など憑物の類には七十五匹の群れをなす、七十五匹に増えるなど ...

■水鼠[みずねずみ]▽解説 水辺に生息する鼠の仲間に関して、しばしば不思議な性質や異様な出来事が語られていたようです。 『和漢三才図会』は「水鼠」の項で『本草綱目』を引用して「水鼠は鼠に似ていて体が小さく、菱、芡(おにばす)、魚、蝦を食べる。あるいは小魚、 ...

■火鼠[ひねずみ]▽解説 火鼠(かそ、ひねずみ、ひのねずみ)は火の中に棲むという想像上の動物で、その知識は大陸からもたらされました。 古くから知られていて、平安時代の『和名類聚抄』にも「比禰須三(ひねずみ)」の名がみえます。 『和漢三才図会』は『本草綱目』を ...

■鼠の大勢[ねずみ‐たいぜい]▽解説 『咄随筆』には「鼠の大勢」と題された以下のような奇談が収められています。  天和二年(1682)のことです。 本郷の辺りで起こった火災のために加賀藩の屋敷も焼失し、翌年その再建のために三ヶ国の木挽と大工が江戸へ呼び寄せられ ...

■旧鼠[きゅうそ]▽解説 『絵本百物語』や『翁草』には、年経た鼠を「旧鼠」と称して、その怪異談を記した箇所があります。  まず、『絵本百物語』には二つの鼠にまつわる話が載せられています。 ひとつは大和の志貴(信貴)の話で、この鼠の毛の色は赤、黒、白の三色、 ...

■鉄鼠[てっそ]▽解説 『画図百鬼夜行』には「鉄鼠」と名付けられた鼠の妖怪が描かれており「頼豪の灵鼠と化と世にしる所也」と記されています。 頼豪とは平安時代の天台僧で、三井寺の心誉に師事し有験の僧として名を馳せた人物で、その死後に怨霊が鼠に化したという伝 ...

■福鼠[ふくねずみ] ▽解説  白い鼠は大黒天の使いといわれ、福をもたらす存在であると考えられてきました。  そのような鼠の話として、山口県玖珂郡や熊毛郡には以下の話が伝わっています。  昔、ある所に働き者ながら貧しい暮らしを続けるお爺さんが ...

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