■ナマトンカナシ▽解説 奄美大島に伝わる農耕の神で、名越左源太の『南島雑話』で「奈麻戸奴加奈之」の表記で紹介されています。 カナシ、ガナシとは奄美や琉球における一種の尊称で、神や貴人に対して用いられました。「奈麻戸奴加奈之」は音に字をあてただけのものとみ ...
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神社姫
■神社姫[じんじゃひめ]▽解説 神社姫は江戸時代に瓦版などを通じて流布した妖怪の一種で、現代においては主に加藤曳尾庵の随筆『我衣』に書き留められた内容をもとに紹介されてきました。 瓦版によれば、文政二年(1819)四月十八日、肥前国のさる浜に上がった魚は、発見 ...
毛坊
■毛坊[けぼう]▽解説 妖怪絵巻の一系統に描かれていたと推察される妖怪のひとつで、今のところ『諸国妖怪図巻』にあるものが確認できる唯一の例です。 「毛坊(けぼう?)」の絵姿は人のような頭と胴、先端が黒い爪のように尖った二本の手と四本の足、腰回りを覆う毛が特 ...
海鹿
■海鹿[うみしか]▽解説 鹿児島県の屋久島に伝わるものです。 人間を食う南海の怪物で、漁師たちからもたいへん恐れられたといわれています。 旧暦五月十六日は山の神様のいさみがあるといって、神様の大事な集いと宴がひらかれる日であるため、人々は山に入らないこと ...
ボゼ
■ボゼ▽解説 鹿児島県トカラ列島の悪石島に伝わるもので、旧暦七月十六日に現れて盆行事を締めくくる来訪神です。 この行事の際には三人の村人が墨、赤土で塗られた縦縞模様で赤い目、長い鼻の大きな仮面をかぶり、ビロウの葉やシュロの皮を纏ってボゼに扮します。 また ...
海の猪
■海の猪[うみ‐いのしし]▽解説 種子島に伝わる昔話では、鯨はもと陸に、猪は海に棲んでいたと語られています。 昔、鯨は陸に棲んでいました。 ひとたび獲物を求めて野原や山を歩き回ると、木々は押し倒され堤は崩れて洪水が起こり、兎でも取り逃がそうものなら地団太 ...
ひぶしみ
■ひぶしみ▽解説 鹿児島県沖永良部島に伝わるものです。 昔、「岩の笛吹松小父」と呼ばれる男がいました。親も兄弟もない独り者で、毎日舟に乗り笛を吹いて過ごしていました。 あるとき笛吹松は海辺で見つけたヒブシミ(イカの一種。コブシメ)を捕え、それと交わりました ...
タカメン
■タカメン▽解説 薩南諸島の竹島(鹿児島県鹿児島郡三島村)で旧暦八月一日、二日に行われる「八朔踊り」または「ホゼ(豊祭)踊り」と呼ばれる行事に出現する仮面神です。 大きな耳のような飾りがついた1メートル以上の円錐形の仮面で仮装するもので、タカメンという呼 ...
ぬらりひょん
■ぬらりひょん▽解説 薩摩に伝わる『大石兵六物語絵巻』に登場する狐が化けた妖怪の一種で、主人公の若侍・大石兵六を脅かすために現れます。 巧みに人を騙し、髪を剃り落としてしまう薩摩の悪狐たち。その退治に出かけた大石兵六ですが、既に宇蛇、簑姥上、三目猴猿とい ...