■人さらい地蔵[ひと‐じぞう]▽解説 鳥取県日野郡日南町に伝わるものです。 昔、日本一の鉄砲撃ちが山で迷い、偶然見つけた灯りの点いている一軒家を訪ねました。 家の中では娘がしくしくと泣いていました。 わけを問えば、真夜中になると何かわからぬ化物が出て村人 ...
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お春狐
■お春狐[‐はるぎつね]▽解説 明治頃に鳥取県東伯郡赤碕町に出たという化け狐です。 お春狐は赤碕の港町の中央あたり、池田公の御米蔵の後ろにある森に棲んでいました。険しい崖の上の森に生えた大松の根元の穴を巣としており、そこで子供と共に暮らしていたといいます ...
赤猪
■赤猪[あかい]▽解説 赤い猪にまつわる伝説は『古事記』にある大国主命の話がよく知られています。 因幡の八上比売(やがみひめ)を娶った大国主(大穴牟遅)は、同時に求婚していた大勢の兄たち(八十神)から激しい嫉妬を向けられることとなりました。 伯耆国手間山本に ...
もの言う布団
■もの言う布団[‐い‐ふとん]▽解説 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)著『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』「日本海のほとりにて(By the Japanese Sea)」(1894年)にある怪談です。 昔、鳥取の町にできた新しい宿屋にひとりの旅商人が泊まりました。 ...
死人憑
■死人憑[しびとつき]▽解説 水木しげるの著作では「死人憑」という、死者に何かが憑いたために骸が動いたり言葉を発する妖怪が、因幡岩美郡の事例と共に紹介されています。 この話の元になったのは寛保(1741~1744)頃の『因府夜話』(佐藤景嶂著)にある怪談で、荻原直 ...
いっちゃもんの嫁
■いっちゃもんの嫁[‐よめ]▽解説 鳥取県西伯郡中山町に伝わるものです。 昔、「いっちゃもん」という正直な魚売りの商人が、仕事を終えた雨降りの晩に綺麗な女に出会いました。 女はいっちゃもんをじっと見て言いました。 「あんたはいっちゃもんさんっていう人です ...
おたねさん
■おたねさん ▽解説 鳥取県境港市に伝わる化け狐です。 境港は安政年間までは境浦と呼ばれ、移転前の境港駅があった辺りは、かつて白砂の松林でした。 林には一抱えもあるような老松も生えており、そこにおたねさんという狐が棲んでいたといいます。 ...
おとん女郎
■おとん女郎[‐じょろう] ▽解説 鳥取県東部に伝わる化け狐で、おとんじょろ狐とも呼ばれます。 おとみという名の女郎に化けていたことから「おとん女郎」と呼ばれるようになったといわれています。 おとん女郎は立見峠を棲み処とし、よく人を化かし ...
蜂王
■蜂王[はちおう] ▽解説 岡山県苫田郡鏡野町上齋原と鳥取県東伯郡三朝町の間にある人形峠に伝わる妖怪です。 元禄四年(1691)年の『作陽誌』には、次のような記述があります。 伯州と作州の境である人形山(人形峠)には、かつて大きさ一丈にも及ぶ蜂 ...
猩々
■猩々[しょうじょう] ▽解説 元は中国の想像上の動物で、日本でも各地の伝承や昔話、祭事芸能に登場してよく知られています。 人語を介する赤い毛の獣で、酒を好むとされます。その血もまた鮮やかな赤色とされ、これで染めた毛織物が猩々緋だといいます。 ...