タグ:鬼

■女の鬼[おんな‐おに]▽解説 兼好『徒然草』第五十段には、京都に流布した鬼の噂のことが記されています。 応長(1311~1312)の頃、伊勢国から鬼になった女(「女の鬼になりたる」)が京へ連れてこられたという風聞が広まり、それから二十日ほど経つと京白川の人々が「鬼 ...

■咳病の鬼[がいびょう‐き]▽解説 『絵本小夜時雨』には「翁疫神を防」という題の話が収録されています。その内容は以下の通り。 永正(1504~1521)の頃、越前国の四、五ヶ村に咳病(がいびょう。咳の出る病)が流行し、多くの村人が病床に臥せる事態となりました。 病に ...

■猫鬼[みょうき]▽解説 病を引き起こすと考えられた鬼の一種で、鎌倉末期頃の写本が伝わる『伝屍病肝心鈔』などにその名が挙げられています。 『伝死病種事』や『渓嵐拾葉集』には病鬼たちの外見的特徴が記された箇所があり、それによると猫鬼は頭は猫で体は人、赤い衣 ...

■安小啼[あんしょうてい]▽解説 密教の占星術である宿曜道に用いられる教典のひとつ『七曜星辰別行法』が説く、二十八宿(天の赤道に沿って選び出された二十八の星座)に対応する病鬼の一種です。 安小啼は第二十三宿「鬼宿」の直日(その天体が吉凶に影響を及ぼす日)に ...

■鼠鬼女[ねずみきじょ]▽解説  『当世故事附選怪興』にて名前が挙げられている化物の一種です。 鼠鬼女は加持の札を持っている者には障りをなさず、札のない者に対しては張り込みの毒気を吐きかけるといいます。 これは「鼠木戸(ねずみきど)」をもじって妖怪の名前の ...

■鬼人面[おにじんめん]▽解説 『人面草紙』に描かれている謎の「人面」の一種です。 節分の場面に描かれた赤鬼の姿をした「人面」で、豆をぶつけられながらも「そのおまん(饅頭)を食べさせてくれろ」と傍に置いてあった饅頭に関心を寄せています。 また、豆をまく人面 ...

■角大師[つのだいし]▽解説 平安時代の僧で第十八代天台座主を務めた良源(912~985)は民衆から広く信仰を集め、様々な伝説や逸話が語られました。  現在も民家の門口などに貼りつけられる「角大師」と称する魔除けの護符に描かれた痩身の鬼神のような姿も元三大師の姿 ...

■次郎三郎妻[じろうさぶろうさい]▽解説 清涼井蘇来著『今昔雑冥談』巻之一「野州の百姓次郎三郎妻(さい)鬼に成る事」の登場人物です。 上野国利根郡の山里に与茂平という男がいました。 これは元狩人で後に田地を買って百姓となった者で、その一人娘は心あくまで僻み ...

■無常大鬼[むじょうだいき]▽解説 仏教絵画、寺院壁画の一種「五趣生死輪図(ごしゅしょうじりんず)」に描かれる鬼です。 五趣生死輪は生きとし生ける者が輪廻転生する天・人・地獄・餓鬼・畜生の五趣(五悪趣、五道)の有様を大きな輪の中に描き込んだ図で、インド、中国 ...

■宇津ノ谷峠の鬼[うつのやとうげ‐おに]▽解説 静岡県静岡市と藤枝市の境にある宇津ノ谷峠を舞台とする伝説に登場するものです。  宇津ノ谷峠北側の谷の下に梅林院という寺がありました。 この寺の住職は病に罹っており、身体には腫物を生じて耐え難い痛みに襲われて ...

↑このページのトップヘ