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■ゴキブリの霊[‐れい]▽解説 現在「ゴキブリ」と呼ばれている虫について、江戸時代の『和漢三才図会』「蜚蠊」の項には「和名 豆乃無之(つのむし)俗云油蟲」とあり、かつては「油虫」という呼び名が一般的であったことがうかがえます。また、この虫の老いたものが五器 ...

■芥の虫[あくた‐むし]▽解説 『神道由来の事』に記述のある怪虫です。 これは室町時代頃の写本が残されている書物で、天地開闢から天岩戸、八岐大蛇退治などの神話を神仏習合的世界観のもと語るものです。 「あくたの虫」は「さくゝの宮」の由来を説く部分に登場しま ...

■油虫の祟り[あぶらむし‐たた‐]▽解説 『奇談雑史』には「油虫のたゝりの事」と題して次のような話があります。 大坂のとある借家に暮らす女は幼い頃から油虫(あぶらむし。ここではゴキブリのことと思われる)をひどく嫌って、見かけたときはいつも熱湯を浴びせて殺し ...

■鉄蟻[てつぎ]▽解説 『正法念処経』が説く八大地獄のうち衆合地獄の十六別処のひとつである朱誅朱誅処(しゅちゅうしゅちゅうしょ)や一切根滅処(いっさいこんめつしょ)に棲むとされる鉄の蟻です。 人の世に生まれた際に羊や驢馬を相手に姦淫して、仏を敬わなかった者は ...

■蚊の精[か‐せい]▽解説 狂言「蚊相撲」に登場するものです。 家来を一人しか持たないとある大名は、新参者を召し抱えようと思い立ち、ふさわしい者を探してくるよう召使いの太郎冠者に命じます。 街道へ出た太郎冠者は、折よく奉公先を求める相撲取りの男と出会いま ...

■鼻孔の虫[びこう‐むし]▽解説 中国南北朝時代に編まれた仏教類書『経律異相』に「出居士物故為婦鼻中虫経」を出典として収められている説話で、日本では『沙石集』などで引用されています。 天竺にとある優婆塞(在家の仏教徒で、善事をなしてよく戒律を守る者)がお ...

■百足女房[むかでにょうぼう]▽解説 滋賀県甲賀郡には「むかで女房」という短い昔話が伝わっています。  むかでは体は黒いのに足は赤という取り合わせがかわいらしいので「むかでを嫁さんにほしい」と言った人がいました。 ところがいざ嫁に迎えてみれば、むかでのた ...

■蝿の化物[はえ‐ばけもの]▽解説 大町桂月著『絵入訓話』(大正5年刊)内の「百鬼晝行」で紹介されている妖怪の一種です。 四十一種挙げられた化物のうち第二十七番目にあたるこの化物は、人かと思えば顔はなく、蝿かと思えば脚が四本のみ、しかしながら手をすり足をする ...

■二頭虫[にとうちゅう]▽解説 『姫国山海録』に記録されている虫の一種です。 この虫は、形は蟔(毛虫)に似て、また蚣(むかで)ではなく、体の前後に頭があるといいます。しかし結局のところ何という虫なのかは作者も知らないとしており、他の項目では記されている産地や ...

■神虫[しんちゅう] ▽解説  十二世紀後半に制作された『辟邪絵』(奈良国立博物館蔵)に描かれた、邪鬼や疫鬼を退散させる善神の一種です。  八本の足や羽を有する巨大な虫で、鬼を取り食らい周囲を血に染めている場面が描かれています。虫の体は鬼たちよ ...

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