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■無瞳子の虎[ひとみなし‐とら]▽解説 曲亭馬琴作『南総里見八犬伝』第九輯に登場する妖虎です。 その昔、画聖・巨勢金岡は呉国から宇多天皇に贈られた虎を百日にわたって観察し、猛然と怒る虎の図を描き上げました。この作品は迫真の出来栄えでしたが、それゆえに画幅 ...

■野荒らしの虎[のあ-とら]▽解説 彫像や絵画の動物が動き出して近在を荒らすため釘や縄で封じられるという話は、左甚五郎や土地土地の名工の技巧を語る逸話として各地に伝わっています。 和歌山県紀の川市の粉河寺本堂にある虎の木像は徳川吉宗が寄進したもので、左甚 ...

■戸田の虎[とだ-とら]▽解説 岩手県九戸郡九戸村に伝わるものです。 奈良時代、南方から追われた虎たちは北上を続け、津軽海峡に阻まれて陸奥の地で過ごしていました。戸田の八幡宮の裏山である小松鞍にも、年老いた一頭の虎が住みついていました。 ある日、虎は塞ノ ...

■虎狼[とらおおかみ]▽解説 昔話「ふるやのもり」では、虎や狼などの猛獣が、人間たちが語る「ふるやのもり」が自分より恐ろしい獣だと勘違いして逃げだします。 このような話の中では、古屋の爺や婆の言葉として「虎狼より漏るが恐ろしい」といった言い回しが用いられ ...

■寅薬師[とらやくし]▽解説 「寅」に縁ある仏像として「寅薬師」と称する薬師如来像を祀る寺や堂は複数知られていますが、東京都杉並区の石雲山常仙寺の寅薬師は、薬師如来が虎に化身して人を助けたという伝説が由来として語られています。 常仙寺の本尊は行基作と伝え ...

■虎子石[とらこいし]▽解説 相模国大磯宿の遊女で、曾我十郎祐成の恋人として『曾我物語』などに登場することでも知られる「虎(虎御前)」にまつわる伝説のある石です。虎子石、虎が石、虎御石などと呼ばれ、各地に伝えられています。 神奈川県中郡大磯町の延台寺にある ...

■李徴[りちょう]▽解説 中国唐代の伝奇小説や、これを元にした中島敦の「山月記」に登場する人物です。 いずれの作品でも、李徴は博学で才覚ある人ながら、やがて狂気に陥って人間から虎に変化するという数奇な運命をたどったことが語られています。 唐の張読による『 ...

■豹[ひょう]▽解説 豹は虎と同様に大陸から知識が伝来しており、近世以前の日本でも知られていました。 ただし、豹は虎の雌であるとも考えられていたことから、竹林に群虎を描いた絵画や寺社の彫刻では、虎のつがい・親子を表現するために豹の姿が使われていました。豹 ...

■虎[とら]▽解説 虎は日本でも古くから大陸産の猛獣として知られ、毛皮が調度や装飾品として珍重されただけでなく、諺や俗信、昔話などを通じてその性質が語られてきました。 日本でも広く参照された『本草綱目』には、虎は山中の獣たちの君(君主)で、夜間には一方の眼 ...

■魑魅[ちみ]▽解説 「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」といえば『春秋左氏伝』を出典とする故事成語で、種々の妖怪変化の総称、化物の言い換えとして用いられています。 この四字のうち「魑魅」が山林の気から生じる妖怪で、「魍魎」が山川木石の精であると分けて説明される ...

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