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■咳病の鬼[がいびょう‐き]▽解説 『絵本小夜時雨』には「翁疫神を防」という題の話が収録されています。その内容は以下の通り。 永正(1504~1521)の頃、越前国の四、五ヶ村に咳病(がいびょう。咳の出る病)が流行し、多くの村人が病床に臥せる事態となりました。 病に ...

■猫鬼[みょうき]▽解説 病を引き起こすと考えられた鬼の一種で、鎌倉末期頃の写本が伝わる『伝屍病肝心鈔』などにその名が挙げられています。 『伝死病種事』や『渓嵐拾葉集』には病鬼たちの外見的特徴が記された箇所があり、それによると猫鬼は頭は猫で体は人、赤い衣 ...

■安小啼[あんしょうてい]▽解説 密教の占星術である宿曜道に用いられる教典のひとつ『七曜星辰別行法』が説く、二十八宿(天の赤道に沿って選び出された二十八の星座)に対応する病鬼の一種です。 安小啼は第二十三宿「鬼宿」の直日(その天体が吉凶に影響を及ぼす日)に ...

■賁豚[ほんとん]▽解説 漢方医学や鍼灸の分野において、臍の辺りから気がこみ上げるような発作、動悸を生じる病状を奔豚(賁豚)、奔豚気と呼び、その病巣は腎臓であると考えられていました。 体内に生じて様々な病を引き起こす虫たちの図像が収められていることで知られ ...

■天魔羅醯室陀鬼[てんまらけいしつだき]▽解説 岡山県岡山市の金山寺や愛知県名古屋市の真福寺に伝わる『伝死病種事』では、伝死病(伝尸病とも。結核などの肺病)を引き起こす五種の鬼たちの姿が図入りで示されています。 天魔羅醯室陀鬼は三番目に挙げられる鬼で、頭は ...

■黴毒大王[ばいどくだいおう] ▽解説  船越敬祐が著した『絵本黴瘡軍談』の登場人物です。  開闢以来の陰気が凝り固まって生まれた存在であり、神変自在に宇宙を飛行する「金毛九尾白面の狐」は、人間を殺し尽くして全ての国土を魔界になさんと目論む恐 ...

■疱瘡婆[ほうそうばば] ▽解説  只野真葛の『奥州波奈志』にある妖怪です。  文化年間(1804~1817)初期、蝦夷松前に出兵があった頃のこと、陸奥国七ヶ浜大須で疱瘡(天然痘)が大流行し、多くの死者が出ました。  この頃から、死者の墓を暴いて遺体を喰う ...

■病虫[びょうちゅう] ▽解説  病気や健康状態の変化は虫が引き起こすものであるという考えがあり、現在では「虫の居所が悪い」「腹の虫が収まらない」「虫が好かない」などの慣用句にその名残を見ることが出来ます。  永禄11年(1568)に茨木元行によって編 ...

■疫病神[やくびょうがみ]▽解説 疫病神(やくびょうがみ、えきびょうがみ)は疫病を齎す神のことで、古くから恐れられ、信仰されてきました。 絵巻物などでは鬼の姿で描かれることが多く、疫鬼、行疫神といった呼び名もあります。 中世においては、疫病神は花が散ると ...

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