■牛痘児[ぎゅうとうじ]▽解説 江戸時代、牛痘(種痘)接種の啓蒙のために配られた摺物に描かれているものです。 牛痘とは天然痘ウイルスに似たウイルスによって発生するウシの皮膚疾患で、毒性が弱いため、疱瘡(天然痘)の予防接種(ワクチン)として用いられていました。牛 ...
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虎皮の牛
■虎皮の牛[とらかわ-うし]▽解説 『新著聞集』報仇編「虎皮牛をまとひ牛の鳴をなして死す」にて語られている怪異です。 江戸尾張町一丁目の扇子屋は子牛を買い求めると、頭から足まで虎の皮で包んで縫い合わせ、それを堺町で芝居に出して多額の利益を得ていました。 ...
牛女
■牛女[うしおんな]▽解説 兵庫県の六甲山周辺に出ると噂されていた妖怪です。 牛女は牛の頭に人の体をした女で、赤い着物を着ているといいます。これに遭遇すると事故に遭うと恐れられていました。 戦前、とある屋敷または屠殺場に生まれ、座敷牢に幽閉されていた牛頭 ...
牛の化物
■牛の化物[うし‐ばけもの]▽解説 大町桂月著『絵入訓話』(大正5年)の「百鬼晝行」で紹介されている、社会風刺の要素をもった妖怪のひとつです。全四十一種のうち第三十五番の妖怪として挙げられています。 平福百穂による挿絵では、人の体に大きな黒牛の頭がついた姿で ...
ナマトンカナシ
■ナマトンカナシ▽解説 奄美大島に伝わる農耕の神で、名越左源太の『南島雑話』で「奈麻戸奴加奈之」の表記で紹介されています。 カナシ、ガナシとは奄美や琉球における一種の尊称で、神や貴人に対して用いられました。「奈麻戸奴加奈之」は音に字をあてただけのものとみ ...
牛御前
■牛御前[うしごぜん]▽解説 『吾妻鏡』や『新編武蔵風土記稿』には、牛のような妖怪が浅草を襲撃したとの記述がみられます。 鎌倉時代の歴史書である『吾妻鏡』には、建長三年(1251)武蔵国の浅草あたりに牛のごときものが現れ、浅草寺に向かって走り来たと記されていま ...
恵勝
■恵勝[えしょう]▽解説 『日本霊異記』上巻「僧の湯を涌す薪を用ちて他に与へ、牛と作りて役はれ、奇しき表を示しし縁」の登場人物です。 延興寺という寺の僧侶である釈恵勝(しゃくえしょう)は、寺で湯を沸かすための薪を一束盗み、他人に与えたあとで死亡しました。 ...
首折れ寝牛
■首折れ寝牛[くびお-ねうし]▽解説 香川県綾歌郡綾歌町に伝わるものです。 菅原道真が讃岐守在任中の仁和四年(888)、讃岐は数十年に一度の大旱魃に襲われました。 そこで道真は斎戒沐浴して城山に登り、自ら雨乞いを行いました。懸命に祈りを捧げたにもかかわらず、翌 ...
布引牛
■布引牛[ぬのひきうし]▽解説 信州の善光寺にまつわる伝説のひとつに登場するもので、思わぬきっかけで良い方へ導かれることをたとえた「牛に引かれて善光寺参り」という諺のもとになっています。 昔、信濃国小県郡に無信心で意地悪な老婆が住んでいました。 あるとき ...
牛癇
■牛癇[ぎゅうかん]▽解説 人の体内に生じて病気を引き起こすと考えられた虫の一種で、戦国時代に書かれた鍼灸の指南書『針聞書』に図入りで紹介されているものが知られています。 『針聞書』に描かれた牛癇は黒い角を生やした牛そのものの姿で表現されており、この一つ ...