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■寅薬師[とらやくし]▽解説 「寅」に縁ある仏像として「寅薬師」と称する薬師如来像を祀る寺や堂は複数知られていますが、東京都杉並区の石雲山常仙寺の寅薬師は、薬師如来が虎に化身して人を助けたという伝説が由来として語られています。 常仙寺の本尊は行基作と伝え ...

■虎皮の牛[とらかわ-うし]▽解説 『新著聞集』報仇編「虎皮牛をまとひ牛の鳴をなして死す」にて語られている怪異です。 江戸尾張町一丁目の扇子屋は子牛を買い求めると、頭から足まで虎の皮で包んで縫い合わせ、それを堺町で芝居に出して多額の利益を得ていました。  ...

■牛御前[うしごぜん]▽解説 『吾妻鏡』や『新編武蔵風土記稿』には、牛のような妖怪が浅草を襲撃したとの記述がみられます。 鎌倉時代の歴史書である『吾妻鏡』には、建長三年(1251)武蔵国の浅草あたりに牛のごときものが現れ、浅草寺に向かって走り来たと記されていま ...

■大いなる牛肉塊[おお‐ぎゅうにくかい]▽解説 明治時代、東京の麹町区平河町(現・千代田区)あたりの宿屋では夜な夜な怪異なことが起きると噂され、たいへんな評判をとっていたといいます。その様子は明治三一年(1898)十一月の『都新聞』に記されています。 この宿の二 ...

■おさよ▽解説 河竹黙阿弥作、明治十三年(1880)初演の歌舞伎『木間星箱根鹿笛(このまぼしはこねのしかぶえ)』の登場人物です。 本作は文明開化後の時代を舞台にした散切り物の怪談芝居で、ガス照明を用いた幽霊の演出も当世風であったため「神経病の二番目」と呼ばれて好 ...

■お蔦[-つた]▽解説 河竹黙阿弥作、明治十六年(1883)初演の歌舞伎『新皿屋舗月雨傘(しんさらやしきつきのあまがさ)』の登場人物です。 魚屋太兵衛の娘お蔦は、芝愛宕下にある旗本・磯部主計之助(いそべかずえのすけ)の屋敷へ妾奉公に上がり、その器量の良さを気に入ら ...

■おきつ▽解説 明和(1764~1772)の頃に江戸谷中の笠森稲荷門前の水茶屋「鍵屋」で働いていたお仙は、当時大評判をとった看板娘でした。鈴木晴信の美人画の題材となったお仙は人々の注目の的となり、お仙見たさに訪れる客で鍵屋は繁盛、笠森稲荷の参拝も増加したといわれて ...

■鼠の大勢[ねずみ‐たいぜい]▽解説 『咄随筆』には「鼠の大勢」と題された以下のような奇談が収められています。  天和二年(1682)のことです。 本郷の辺りで起こった火災のために加賀藩の屋敷も焼失し、翌年その再建のために三ヶ国の木挽と大工が江戸へ呼び寄せられ ...

■七尾の狢[しちび‐むじな]▽解説 塵哉翁と称する人物によって書かれた随筆『巷街贅説』は、弘化三年(1846)に江戸で尾が七本ある狢が捕えられた事件を伝えています。 小石川水道町大日坂の上、五軒町代町に蕎麦屋があり、干した出し殻を菰に包んで縁の下に貯えていまし ...

■二尺の顔[にしゃく‐かお]▽解説 明治二十七年刊『百物語』にある、御山苔松なる人物によって語られた怪談です。 これは御山氏の家に年久しく仕える佐太郎という実直な老僕が若い頃に体験したことであるといいます。 ある夜中、赤坂から四谷へ行く急用ができた佐太郎 ...

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