タグ:怪火

■草刈火[くさかりび]▽解説 『西播怪談実記』にある怪火です。 元文(1736~1741)のはじめ、五月雨の頃に、佐用郡佐用村の半七という者が姫路へ赴き逗留していました。 本来の用事は思うように進まなかったため、半七はある日の夕方にふと思い立って飾東郡蒲田村の知人 ...

■勘五郎火[かんごろうび]▽解説 愛知県犬山市などに伝わる怪火で、「勘太郎火」とも単に「勘五郎」とも呼ばれたようです。 犬山市橋爪では次のように伝わっています。 橋爪の村、青木川の辺に、かつて勘五郎という百姓と老母が二人きりで暮らしていました。十八歳の勘 ...

■筬火[おさび]▽解説 宮崎県延岡地方に伝わる怪火の一種で、三角池という池に出るといわれています。 これは雨の降る晩に二つ出るもので、明治の半ばまでは折々目撃者がいたといいます。 昔、二人の女が筬(おさ。機織の際に折り目を整えるために使う櫛状の器具)の貸借 ...

■逢火[あうひ]▽解説 逢火(あうひ、あいび、おうび?)は比叡山西麓あたりに出没したといわれる怪火で、山城国の地誌である『雍州府志』などに記述がみられます。  比叡山西麓の相逢の森には五月の夜になるといくつもの隣火が南北より飛来し、集まっては消えていくとい ...

■イゲボ▽解説 三重県度会郡でいう鬼火です。 栁田國男『妖怪談義』所収「妖怪名彙」で列挙されている妖怪名のひとつで、柳田はイゲボについて「他ではまだ耳にせぬので、名の由来を想像しがたい」と述べています。▽関連・鬼火  情報がなさすぎて描くほうも想像しがた ...

■陰摩羅鬼[おんもらけ]▽解説 『駿国雑志』巻二十四下で紹介されているものです。  これは駿河国安倍郡安倍川原の渡頭、刑場に現れるものだといいます。 里人が語るところによれば、陰雨寂寞たる夜、安倍川の仕置場に奇火を見た者がいたといい、その色は青く、人が佇 ...

■火玉[ひざま]▽解説 鹿児島県奄美群島の沖永良部島に伝わる妖怪で、呼び名の通り明るい火の玉と伝わる場合もあれば、胡麻塩色の羽で頬の赤い鶏の姿をしているともいわれています。 ヒザマは最も恐ろしい邪神と考えられ、空になっている甕や桶に宿ると信じられていまし ...

■山口の一つ火[やまぐち-ひと-び] ▽解説  長野県上田市に伝わる怪火で、上田地方の七不思議のひとつとされているものです。  昔、山口村にある美しい娘がいました。  娘は松代の男と恋仲になり、太郎山、鏡台山、妻女山などの山々をものともせず、毎晩 ...

■オショネ ▽解説  島根県松江市八束町遅江に伝わる妖怪です。  ある寒い日に、漁師が舟で沖待ち(魚が網にかかるまで待つこと)をしていました。あまりに寒いので釣鐘(炬燵のようなもの)に当たって過ごしていたところ、ふと気付くと目の前に大きな山があ ...

■ヲロシヤの人魂[-ひとだま] ▽解説  『怪奇談絵詞』に描かれている妖怪のひとつです。  詞書には「人々恐れをなすといへども全く妄念でやいのたかばたなり。筋引よふなるハ糸なり。風烈しと見る時は早くおろしやおろしやと云」とあり、ヲロシヤ(オロシャ) ...

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