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■是荷鳥[ぜにとり]▽解説 江戸時代後期に出された瓦版形式の摺物に「火輪(ひりん)」と共に描かれている鳥で、大火の後の世情を風刺したものです。  この鳥の鶏冠は四文屋(安価な居酒屋)の田楽のごとく、両目は銭のような形をしていると言います。さらに翼は竹と材木板 ...

■難義鳥[なんぎちょう]▽解説 安政の大地震後に出された作者不詳の「鯰絵」の一種に描かれている怪鳥です。  大地震の翌晩四つ時より、吉原遊郭の真上ならびに芝居町の辺りに怪しい鳥が現れ、甚だ哀れな声で鳴いたといいます。 諸々の職人たちが肴を調え酒盛りをして ...

■通神鳥[つかみどり]▽解説 江戸時代、コレラの流行期に出された刷物に描かれている鳥で、病気の流行によって儲けの「つかみ取り」をした職業の人々を風刺したものです。 頭は火かき棒を握る火葬場の男、首は払子を手にした僧侶、胸元は湯灌場買(死者の衣服を買い取る ...

■泡喰鳥[あわくいどり]▽解説 幕末期の風刺画『天加羅渡利 泡喰鳥』に描かれた鳥です。 この泡喰鳥なる鳥は嘴と脚が銭、頭や翼が小判でできており、羽は各種の帳面、胴体は舟に葛籠や箪笥などの家財、目や尾の付け根は車輪で形作られています。 「泡を食う」とは驚き ...

■稼鳥[かせぎどり]▽解説 「難獣」と同じ図に描かれている鶴を模した寄せ絵の鳥で、安政の大地震後の景気を象徴しています。 「稼鳥」は安政二年(1855)の十月三日(安政江戸地震の翌日)より出現したもので、頭には木魚のごとき赤い冠毛があり、仏法僧の三要を具えている ...

■ユリヤケ▽解説 安政(1854~1860)の大地震の後に作られた画図に描かれている獣です。 これは「寄せ絵」と呼ばれるものの一種で、獣の体は震災により職にあぶれた人々の道具や勢いを失った芸能に関する品、地震の被害を伝える割れた瓦などで構成されています。  曰く、 ...

■北国のおばけ[ほっこく-] ▽解説  安政(1854~1860)の頃に製作された作者不詳の錦絵『北国乃おばけ』に描かれているものです。  複数の人物を寄せ集めて別の姿を形作る「寄せ絵」の類(歌川国芳の『みかけハこハゐがとんだいい人だ』などが有名)で、吉原遊郭の女 ...

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