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■旧鼠[きゅうそ]▽解説 『絵本百物語』や『翁草』には、年経た鼠を「旧鼠」と称して、その怪異談を記した箇所があります。  まず、『絵本百物語』には二つの鼠にまつわる話が載せられています。 ひとつは大和の志貴(信貴)の話で、この鼠の毛の色は赤、黒、白の三色、 ...

■カスンガ▽解説 イエズス会の宣教師として1563年から日本でのキリスト教布教活動を開始したルイス・フロイスが1565年にインド・ゴアの同僚に宛てた書簡には、次のように記されています。 「奈良は、カスンガという名の悪魔の一つの社に従属しているところです」 フロイ ...

■大鹿の怨霊[おおしか‐おんりょう]▽解説 奈良県吉野郡東吉野村大又に伝わるものです。 昔、大又部落に忠蔵という猟師が住んでいました。 この忠蔵が薊岳の方へ猟に出かけた際のことです。彼が古い池のほとりで休んでいると、そこへ三つ又の角をもつ数十年の齢を重ね ...

■見しょう見しょう[み‐み‐]▽解説 『新説百物語』巻之一「見せふ見せふといふ化物の事」は女の首の化物が登場する怪談で、以下のような内容となっています。  京都の醒ヶ井通に書物屋の利助という者がおり、京大坂で書物を仕入れ、奈良まで通ってそれらを売っていま ...

■蛇体の女[じゃたい‐おんな]▽解説 『怪奇談絵詞』に描かれている妖怪のひとつで、顔は美しい人間の女、それ以外の体は蛇そのものという姿をしています。 絵巻に固有名詞は記されていませんが、湯本豪一編著『妖怪百物語絵巻』(平成15年刊)では便宜的に「蛇体の女」 ...

■すじかぶろ▽解説 勝川春英の『異魔話武可誌』には、鱗で身体を覆った頭の大きな妖怪「すじかぶろ」が茶を運んでいる姿が描かれています。 同作の図を流用した『列国怪談聞書帖』では、この妖怪に以下のような物語が付け足されました。 昔、奈良の木辻に初めて郭が開か ...

■縁切蜘蛛[えんきりぐも] ▽解説  奈良県宇智郡に伝わる妖怪です。  大和国宇智郡葛城山麓の近内村に「蜘蛛の森」と称する森があり、昔から葛城の大蜘蛛の子孫が棲んでいました。  この大蜘蛛は闇夜になると提灯大の光り物と化して森の木々を移動してい ...

■元興寺[がごぜ]▽解説 『百怪図巻』などの化物尽くし絵巻や『画図百鬼夜行』に描かれている、布を頭から被った鬼のような妖怪です。 いずれの図にも解説は付されていませんが、その名から『日本霊異記』などにある、元興寺鐘楼に現れた霊鬼を念頭において描かれたもの ...

 ■べとべとさん▽解説 奈良県宇陀郡でいう妖怪です。 夜道を行くと、後ろから何者かがつけているような足音が聞こえるというものです。 このようなときは道の脇に寄って、「べとべとさん先へお越し」と言えば足音はしなくなるといいます。   名前と水木しげるの描いた ...

■一本だたら[いっぽん‐] ▽解説  奈良県、和歌山県の境にある果無山脈を中心にした紀伊半島でいう妖怪です。一つだたらとも呼ばれます。 共通する部分は持っているものの、各地域で全く異なる妖怪として伝承が残されています。  紀伊半島や奈良県の伯母 ...

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