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■永沈[ようちん]▽解説 「永沈」とは一度落ちると永く出ることのできない場所の意味で、地獄及び地獄に堕ちることを指し示す言葉として経文などにみられます。 極楽往生の過程を題材にした絵双六(十界双六、浄土双六などと呼ばれる)には「永沈」の升目が設けられ、渦巻 ...

■地獄の犬[じごく‐いぬ]▽解説 江戸時代の仏教説話集『善悪業報因縁集』に「蘇生して地獄の苦を恐れ善人と成し事」という題の話があり、その内容は以下のようなものとなっています。 安永年間のこと。 豊後国臼杵領内に法泉庵村という所があり、住人のひとりに伝右衛 ...

■鉄蟻[てつぎ]▽解説 『正法念処経』が説く八大地獄のうち衆合地獄の十六別処のひとつである朱誅朱誅処(しゅちゅうしゅちゅうしょ)や一切根滅処(いっさいこんめつしょ)に棲むとされる鉄の蟻です。 人の世に生まれた際に羊や驢馬を相手に姦淫して、仏を敬わなかった者は ...

■鶏地獄の鶏[けいじごく‐にわとり]▽解説 鶏地獄(けいじごく、とりじごく)は『起世経』地獄品が説く十六小地獄のひとつで、鳥獣を虐め、諍いを好んだ者が死後に堕ちるとされています。 この地獄には猛き炎が身に満ちた鶏がいて、罪人たちはこれに追われて蹴り踏まれ、 ...

■大かむろ[おお‐]▽解説 『日本妖怪図鑑』など、主に佐藤有文の著作にある妖怪です。 鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に描かれている「大禿」を元にしたものですが、脚色が加えられてその性質は大きく変化しています。 『日本妖怪図鑑』によれば、大かむろは地獄の国か ...

■最猛勝[さいもうしょう] ▽解説  隋の闍那崛多が漢訳した『起世経』第二巻が説く八大地獄に付属する十六小地獄のひとつ、膿血地獄には最猛勝という虫がいるとされます。  膿血地獄に堕ちるのは、生前、腹黒く愚かな心を抱き、人に汚い物を与え食わせた者 ...

■閻婆[えんば] ▽解説  八大地獄の最下層・阿鼻地獄に付属する十六の別処のひとつ「閻婆度処」に棲むといわれる巨鳥です。  閻婆度処は河の流れを断って他人を渇死させた者が落ちる地獄であり、閻婆は象ほどの身の丈を誇る悪鳥で、鋭い嘴からは炎を出して ...

■牛頭[ごず] ▽解説  地獄で罪人を責めたてる獄卒たちは様々な動物の頭をしていますが、なかでも牛馬の頭をもつものは牛頭馬頭と称して獄卒の代表格とみなされ、数々の地獄絵にその姿をみることができます。  説話集には現世に現れた牛頭についての記述 ...

■奪衣婆[だつえば] ▽解説  この世とあの世の境にある三途の川のほとりで亡者の衣服を剥ぎ取るという老婆の鬼で、葬頭河婆、正塚婆などとも呼ばれます。  『地蔵菩薩発心因縁十王経』によれば、初江(「江」は船の停泊地)の辺には官庁が並び、その前には葬 ...

■火車[かしゃ] ▽解説  生前に罪を犯した亡者を迎えて地獄に送る、あるいは地獄で罪人を責める道具として、車輪部分が燃え盛る火炎になっている車(火車、火の車)が用いられると考えられてきました。  各種の説話集などには悪業の報いとして、この火車が罪人の身を ...

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