■乳鉢坊[にゅうばちぼう]▽解説 鳥山石燕の『百器徒然袋』に描かれている妖怪です。 乳鉢坊は「瓢箪小僧」という妖怪と共に描かれており、「へうたん(瓢箪)小僧に肝を消して青ざめたりしが、乳ばち坊の乳ばちの音に夢さめぬとおもひぬ」と記されています。 「乳鉢 ...
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切子灯籠の化物
■切子灯籠の化物[きりこどうろう‐ばけもの]▽解説 切子灯籠(切籠灯籠、盆灯籠)は盂蘭盆会の際に寺院や家の軒に吊り下げる灯籠です。火を灯す部分は角を落とした切子形で、四束の細長い白紙を付けて垂らしたものが一般的です。 化物の世界の年中行事を描いた文化五年(18 ...
暮露暮露団
■暮露暮露団[ぼろぼろとん]▽解説 鳥山石燕『百器徒然袋』にある妖怪です。 破れてぼろぼろになった布団が目を生じ、綿か布きれが手足の形をなしている妖怪が描かれ、「普化禅宗を虚無僧と云ふ。虚無空寂をむねとして、いたるところに薦むしろに座してもたれりとするゆ ...
布団の怪
■布団の怪[ふとん‐かい]▽解説 松谷みよ子『現代民話考』(昭和61年)や村上健司『妖怪事典』(平成12年)では、布団にまつわる怪異を「布団の怪」と称して、『ゆがたい 宮古島の民話』(宮古民話の会・昭和54年)に収められた話を紹介しています。 これは大平洋戦争が終結 ...
もの言う布団
■もの言う布団[‐い‐ふとん]▽解説 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)著『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』「日本海のほとりにて(By the Japanese Sea)」(1894年)にある怪談です。 昔、鳥取の町にできた新しい宿屋にひとりの旅商人が泊まりました。 ...
雲外鏡
■雲外鏡[うんがいきょう] ▽解説 『百器徒然袋』にある妖怪です。 隈取りを施したような顔が浮かぶ鏡の妖怪が描かれ、「照魔鏡と言へるはもろもろの怪しき物の形をうつすよしなれば、 その影のうつれるにやとおもひしに、動出るままに此かゞみの妖怪なり ...
白容裔
■白容裔[しろうねり] ▽解説 『百器徒然袋』に描かれている妖怪です。 龍のような外見に化した古布の姿で描かれ、「白うるりは徒然のならいなるよし。この白うねりは古き布巾のばけたるものなれども、外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ」とあ ...
蛇帯
■蛇帯[じゃたい] ▽解説 『今昔百鬼拾遺』に描かれている妖怪です。 屏風にかかる帯が舌を出す蛇のような形をあらわす様が描かれ、「博物誌に云、人帯を藉て眠れば蛇を夢むと云々。されば妬める女の三重の帯は、七重にまわる毒蛇ともなりぬべし。 おも ...
付喪神
■付喪神[つくもがみ]▽解説 器物が長い歳月を経て変化した妖怪の総称と解釈されているものです。「九十九神」とも表記します。 つくも、九十九髪といえば老女の白髪を指し、その連想から物が妖怪に化すのを「つくもがみ」と呼んだようです。 付喪神の物語として最も ...
野鎌
■野鎌[のがま]▽解説 高知県、徳島県でいう鎌鼬の類です。 徳島県では野原に鎌を捨てると野鎌という化物となって、人を切るようになると伝わっています。 祖谷山では葬式の穴掘りなどに使った鎌や鍬は、七日間墓場に置いた後に持って帰らないと野鎌になると戒められ ...