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■片輪車の入道[かたわぐるま-にゅうどう]▽解説 馬鹿山人花道作、歌川豊国画で享和二年(1802)に出された『武家物奇談』「入道火炎と化(けす)怪」に登場する妖怪です。 京都六波羅のあたりに高位の入道がいました。この入道は短慮で人の難儀を喜び、無益な殺生を好むと ...

■片輪車[かたわぐるま]▽解説 京都の東洞院通などに出たとされる、車輪が片側だけにしかない牛車の妖怪です。 延宝五年(1677)に出された『諸国百物語』巻一には、「京東洞院かたわ車の事」として次のような話が収められています。 昔、京の東洞院通には「かたわ車」 ...

■女の鬼[おんな‐おに]▽解説 兼好『徒然草』第五十段には、京都に流布した鬼の噂のことが記されています。 応長(1311~1312)の頃、伊勢国から鬼になった女(「女の鬼になりたる」)が京へ連れてこられたという風聞が広まり、それから二十日ほど経つと京白川の人々が「鬼 ...

■逢火[あうひ]▽解説 逢火(あうひ、あいび、おうび?)は比叡山西麓あたりに出没したといわれる怪火で、山城国の地誌である『雍州府志』などに記述がみられます。  比叡山西麓の相逢の森には五月の夜になるといくつもの隣火が南北より飛来し、集まっては消えていくとい ...

■鼠の妖怪[ねずみ‐ようかい]▽解説 『狗張子』巻七には「鼠の妖怪」という題の怪談が収録されています。 応仁(1467~1469)の頃、京の四条あたりに徳田某という大商人がいました。 徳田の家は富み栄えており、倉庫は貨財で満たされていました。しかし世情は不安定で、 ...

■鉄鼠[てっそ]▽解説 『画図百鬼夜行』には「鉄鼠」と名付けられた鼠の妖怪が描かれており「頼豪の灵鼠と化と世にしる所也」と記されています。 頼豪とは平安時代の天台僧で、三井寺の心誉に師事し有験の僧として名を馳せた人物で、その死後に怨霊が鼠に化したという伝 ...

■愛宕山太郎坊[あたごやまたろうぼう]▽解説 京都の愛宕山に棲むといわれる天狗にして、多くの眷属を従えた日本一の大天狗とされるもので「栄術太郎(えいじゅつたろう)」とも呼ばれています。『源平盛衰記』『太平記』にも名が記されており、固有の名を持つ天狗としては ...

■綾子[あやこ]▽解説 明治時代に日本に滞在したイギリス人リチャード・ゴードン・スミス(1858~1918)は博物学や日本の民話・伝説の収集に傾倒しており、各地で聞き集めた話を記録し、日本人絵師による挿絵を添えて『Ancient Tales and Folklore of Japan』を出版しました ...

■醍醐の白狼[だいご‐はくろう]▽解説 『玉櫛笥』にある話です。 山城国醍醐山中には狼が多く生息しており、往来の人を悩ませていました。 ある時、柴刈りの童が山へ入って薪を集めていると、どこからともなく一頭の狼がやって来ました。狼は童に食らいつき、そのまま ...

■帷子辻[かたびらがつじ]▽解説 桃山人作、竹原春泉画の怪談集『絵本百物語』は「帷子辻」の題で、嵯峨天皇の后で檀林(だんりん)皇后こと橘嘉智子(たちばなのかちこ 786~850)にまつわる逸話を紹介しています。 檀林皇后は世に稀なる美人で、その容貌を拝して心を動か ...

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