茄子婆

■茄子婆[なすびばばあ]

▽解説

 比叡山七不思議のひとつに数えられる妖怪で、茄子(なす、なすび)婆、茄子婆さんなどと呼ばれています。

 比叡山延暦寺には茄子のような顔色をした謎の老婆がことあるごとに出現するといわれていました。
 年の頃は六十七、八にして素性は不明、茄子のような綺麗な紫色の顔から誰いうとなく茄子婆さんと呼ばれるようになったといいます。

 元亀二年(1571)九月、織田信長による比叡山の焼き討ちが始まると、大講堂前の鐘撞堂に現れた茄子婆が力一杯に早鐘を打って火の手が迫っていることを僧侶たちに報せたといいます。
 実はこれ以前にも茄子婆は鐘をついて織田方の動きを伝えたことがあり、焼き討ちの後にも比叡山に変事のある時はどこからともなく現れて鐘を鳴らしたといわれています。


 
 殺生の罪を犯すも悔い改めた女官が死後に比叡山にあらわれることを許された姿がこの茄子婆だという話もあるようですね~
 現世の人と直接交流はしないようですけど寺の危機に奔走するひたむきな姿がなんだかいいですね。