血綿

■血綿[ちわた]

▽解説

 江戸時代の『嘉良喜随筆』巻之三には、当時「血綿」というものが若狭の海に出たことが記されています。

 これは赤い綿のようでゆぶゆぶ(水気を含んでぶよぶよとしているさま)としており、幅は一間ほどで平たく、五里も十里も続いているものです。
 血綿が出ると兵乱があると古来伝えられているといいます。
 

▽註


・『嘉良喜随筆』…日向出身の神道家・山口幸充が諸々の書物の引用など、多様な内容を書き留めた随筆。寛延(1748~1751)頃に書かれたものと推察される。