赤入道

■赤入道[あかにゅうどう]

▽解説

 『ばけもの絵巻』に描かれている妖怪のひとつです。

 近江国、武佐のある寺の藪には赤入道という化物が出ると噂されていました。
 ある男は時折この寺の留守番を務めることがありながら、このような化物はいないと断言していました。
 人通りも途絶えた夜のこと、寺でこの男が炬燵にあたっていると、空中から何者かの声が聞こえてきました。
 「お前は赤入道などないものだと思っているな。あるかないかを今その目に見せてやろう」
 そして炬燵の中から本当に赤入道が躍り出てきたといいます。
 このようなこともあるため、あまり何事にでも反抗せぬことだといいます。

 絵には炬燵から上半身を出した赤い肌の大きな化物が、驚く男を指先で押さえつけている様子が描かれています。


▽註

・『ばけもの絵巻』…作者不詳。明治頃の作か。各地に伝わる12の怪奇譚を収録した絵巻。




 いないと言われると現れておどかしたくなるのがお化けの性か……。赤入道の絵は『ばけもの絵巻』の中でも特に無邪気な愛らしさを感じてしまう出来なので、あんまり怖さはイメージできなかったりするんですけどもね。
 元興寺のそっくりさんな方の「赤入道」とは特に関係はなさそうな感じです。