■三つの髑髏[みっ‐ しらこうべ]
▽解説
『せん三つはなし』にあるものです。
昔、ある人が夢の中で炬燵にあたっていたところ、庭先から三つの髑髏(しらこうべ)がやって来て、口々に「我が仇をとりてたべ」と言いました。
目が覚めてから、不思議に思って夢の中で髑髏がいた場所を調べてみたところ、そこには「雲戸喜平を討ちて給べ」と記されていました。
この言葉に従って仇を討ってやると、礼金として金子十両を得たといいます。
絵には室内で炬燵にあたる男に庭から縁側へ上がって近付いてくるらしい巨大な三つの髑髏が描かれています。
▽註
・『せん三つはなし』…上方絵本。夢の中に現れた奇妙なものの話を載せる。延宝6年(1678)以前の作とみられる。
原典は言葉足らずな文面なのでお話が少々つかみにくいのですが、そんなことはどうでもよくなるくらいデザインがゆるくてすこぶるかわいい。たまらないですね。
コメント
コメント一覧 (2)
ずるずるこっちに向かって近寄ってくるのか……ちょっと怖いかも
「仇を討ってくれ~」と聴いて「よしちょっと待ってろ」とばかりに
仇をあっさり殺してくるあたりこの炬燵で寝てる男も相当の剛の者なのかも?
こたつのおっさん、いわれてみれば名前だけで仇敵見つけ出してますね。相手が有名人だったのかおっさんが有能なのか……