歌う骸骨

■歌う骸骨[うた‐がいこつ]

▽解説

 「歌う骸骨」「歌い骸骨」などの題で知られる、全国的に分布している怪談です。

 同郷の二人が出稼ぎに赴き、一方は真面目に働いて金を貯めるも、放蕩のために蓄えもないもう一方の男によって殺害されてしまいます。
 彼の金を奪って帰郷した男は、数年後その金も使い果たして再び商売に出ることとなり、道中で惚れ惚れするような歌声を発する髑髏を発見します。
 これを見世物として男は大儲けし、遂には評判を聞き知った殿様に呼び出されます。ところが、殿様の前に出るや骸骨は口を噤んでしまい、男は騙りをはたらいた科で打ち首の刑に処されます。男が死ぬと骸骨はようやくまた声を発し、居合わせた面々に自分がかつてこの男に殺害された者であることを語り、仇討ちが叶った喜びをこめて歌を唄うのでした。

 話は以上のような内容となっており、二人は幼馴染の友人関係とされていることが多いようです。殺害場所は故郷へ通じる山道などで、骸骨の歌はそこに生えている松の木や、最終的に仇討ちが果たされることを暗示する内容(「かのたかのたよ 思たことかのた 末じゃ鶴亀 五葉の松」など)となっています。
 地域によっては髑髏が歌うのではなく、一揃いの白骨が踊るといった変形もみられます。また、髑髏を拾う主人公は無関係の善人で、髑髏から事情を聞かされて同情し、歌う骸骨を披露する芸人に扮して仇敵を探し出すという展開の話も伝わっています。


▽関連

骸骨
溝出
小町の髑髏