■皿かぞえ[さら‐]
▽解説
鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』にある妖怪です。
井戸から半身を出した女の幽霊らしきものが火を吹き出しており、その火が三枚の皿を宙に巻き上げているかのように描かれています。
これは、ある家の下女が十枚組の皿のうち一枚を井戸に落とした罪によって殺害され、その亡魂が夜な夜な井戸端に現れては皿を一から九まで数え、十枚目を数えずして泣き叫ぶものだと説明されています。また、件の古井戸は播州にあるとして、この妖怪が『播州皿屋敷』のお菊を元にしたものであることが暗に示されています。
▽註
・『今昔画図続百鬼』…『画図百鬼夜行』に始まる鳥山石燕の妖怪絵本の第2作。安永8年(1779)刊行。
▽関連
・お菊
石燕はいったいどんな意図でお菊ちゃんそのままじゃなくて「皿かぞえ」なんて妖怪じみた名前をつけたんでしょうね? 気になる~
コメント
コメント一覧 (2)
「個人の幽霊」から「そういう妖怪」に変わっていく現象があるようですね
提灯お岩は呼び名から想像が膨らんで妖怪として独立していった印象ですが、皿数えの場合は敢えてそういう名をつけたっていうのがスタート地点ぽくて、いわば人為的な妖怪化…? 石燕の野望か!