蝙蝠の化けたの

■蝙蝠の化けたの[こうもり‐ば‐]

▽解説

 黄表紙『夭怪着到牒』に描かれている妖怪のひとつです。

 化物たちが集合する場面に赤鬼や骸骨の化物などと共に登場しており、「蝙蝠の化けたのなり。人の目を狙う」と記されています。
 その姿は四肢と尾の間に張った膜が翼を形作る実際の蝙蝠とは異なり、背中から翼が生えたものとなっています。


▽註

・『夭怪着到牒』…北尾政美作。天明8(1788)年刊。見越し入道と孫の大頭小僧を筆頭に、次々と現れ出る化物たちが紹介される。