一本松の女

■一本松の女[いっぽんまつ‐おんな]

▽解説

 佐藤有文著『日本妖怪図鑑』などで紹介されている妖怪です。

 『日本妖怪図鑑』では「日本の妖怪地図」の章で千葉県の妖怪として紹介されています。
 一本足で全裸の女が両手で胸を隠している姿が描かれており、松の木のそばに立って人を招き、足を引きずって一本だけ食いちぎると説明されています。

 実際に千葉にこのような伝承があったかは定かでなく、子供向けの書籍、記事などで創作あるいは脚色されたものである可能性があります。


 この他の例では、『世界の妖怪全百科』でも「一本松の女」が紹介されています。
 こちらは松の木の傍から浮かび上がる巨大な女の幽霊のような姿で描かれ、松の木の妖気が生み出した妖怪とされています。
 夕暮れ時に一本松のたもとに寂しく佇んでいるだけで、人に危害は加えないといいます。また、松の木で首を吊って死んだ女性の霊ともいわれると記されています。
 なお、こちらも根拠となる伝承や書物が存在するのかは明らかになっていません。


▽註

・『日本妖怪図鑑』…『いちばんくわしい日本妖怪図鑑』とも。佐藤有文著。昭和47年(1972)、立風書房刊の子供向け妖怪本。子供向けの妖怪書籍として長い間人気を保ち、繰り返し重版された。
・『世界の妖怪全百科』…聖咲奇監修。昭和56年刊。小学館のコロタン文庫の一冊で、日本と世界の妖怪約400種を紹介する。