■ぬらりひょん

▽解説

 『自然と文化』1984年秋号に掲載された平川林木による「山陽路の妖怪」という記事で言及されている瀬戸内海の妖怪です。

 それによれば、一名をヌラリヒョンという海坊主は備讃灘(備讃瀬戸。岡山県と香川県の間の海域)に多いといいます。
 海上に頭大の丸い玉が浮かんでいるのを、船を寄せて捕ろうとすると、ヌラリと手元から外れて底に沈み、またヒョンと浮かんできます。何度捕ろうとしても浮き沈みを繰り返して逃れ、人をからかうといいます。

 この記述がいかなる根拠に基づくものか、そして化物尽くしの絵巻などに描かれる人型の妖怪「ぬらりひょん」との関連の度合いなどは現状詳らかではありません。


▽関連

ぬらりひょん
海坊主




 ぬらりひょんの解説を充実させようとしてひとつの項目にぶち込むと余計に謎が深まって収集つかなくなる魔の存在です。取扱注意ですがそれもまた面白し。