どんどろ

■どんどろ

▽解説

 昭和30年代頃から静岡県伊東市で土産物として販売されていた民芸品です。
 木製の台座に紙粘土などを素材として作った奇怪な頭部を据えたもので、「どんどろ人形」「伊東のどんどろ」などの呼び名で知られています。

 人形の由来書によれば、これは徳川家康に仕えた英国人ウィリアム・アダムス(三浦按針)がもたらした異国の祭神が起源だといいます。
 家康の命をうけ伊東唐人川にて洋式船の建造に着手した按針は、日本漂着前に立ち寄ったとある南洋の島で信仰されていた神を思い出し、これを祀ることで疫病の流行を鎮め、帆船を完成へと導いたとされています。
 按針が祀った神をかたどったのが、これ以後伊東に伝承されてきた「どんどろ人形」であり、こちらも魔除と招福に効験あり、と謳われています。しかしこの民芸品の起源は戦後で、按針の伝説自体もどんどろ人形のために創作されたものであるとみられています。





 残念ながら?現物は所持していないのですが、ちょっと検索してみただけで気色悪い首人形の異様な世界が広がっててすごい。
 一説に「どんどろ」の名は「よーいどん」で始まり、最後には「どろ(泥)」に帰する生命の営みを表しているのだとかで、うーん。よくわかんないけど、すごい。深いぞどんどろ。