■百足女房[むかでにょうぼう]
▽解説
滋賀県甲賀郡には「むかで女房」という短い昔話が伝わっています。
むかでは体は黒いのに足は赤という取り合わせがかわいらしいので「むかでを嫁さんにほしい」と言った人がいました。
ところがいざ嫁に迎えてみれば、むかでのために草履をたくさん作ってやらなければならないので、結局離縁になってしまったということです。
履物がいっぱい必要でムカデたいへん!なお話は「むかでのおつかい」「むかでの医者迎え」などの題で広く知られています。が、これらはいわゆる動物昔話というやつで、たいてい人以外の生き物だけの世界で展開されるものです。
ところが今回ご紹介しましたムカデちゃんにはどうしたことか異類婚っぽい要素がプラスされててなんともいえないフシギ価値観の世界になってるではありませんか! すばらしい……。
コメント
コメント一覧 (3)
でもここは愛の力で末長くお幸せになって欲しかった……(異類婚大好きおじさん)
しあわせ異類婚姻譚が好きな身としては、もう少しきちんと考えてお互い納得の行く結婚をしてほしかったですね
異類婚の離婚率の高さときたら……今回なんか履物の数に愛の量が負けてるじゃないか
異類婚大好きおじさんたちの嘆きは募りますぞ
>しらちごさん
見た目がかわいいってだけで嫁にもらっちゃムカデもかわいそうですよね。
化けない異類嫁というと、ゴリラ女房の原型の熊女房や虎女房が思い浮かびます。パターンとしてはやっぱりこういうのが多いのかなぁ