金魚の幽霊

 ■金魚の幽霊[きんぎょ‐ゆうれい]

▽解説

 水木しげるの著作などで紹介されている妖怪です。

 たとえば『日本妖怪大全』では、縄で縛られ金魚鉢に頭を突っ込まれて殺された「藻の花」という女性の恨みが、鉢の金魚に乗り移って「金魚の幽霊」となり、下手人である蓑文太(みのもんた)とその女を襲うと説明されています。また、これは「江戸時代の話」が出典である旨が記されています。
 
 ここでいう「江戸時代の話」とは山東京伝作『梅花氷裂』のことですが、悪漢の名は旧鳥(ふるとり)蓑文太(さぶんだ)で、作中に金魚鉢は登場せず(「金魚槽」などと表現)藻の花の死因も異なっています。

 水木による妖怪画「金魚の幽霊」は、『梅花氷裂』および『磯馴松金糸腰蓑』にある怨恨が憑いた金魚の図を元にして描かれています。


▽註

・『日本妖怪大全』…水木しげる著。日本の妖怪425種を紹介する。平成三年(1991)刊。
・『梅花氷裂』…読本。山東京伝作、歌川豊国画。文化四年(1807)刊。登場人物のひとり「藻の花」の怨恨が金魚にとり憑いて怪異をなす。
・『磯馴松金糸腰蓑』…山東京伝作、歌川豊国画。文化十年(1813)刊。『梅花氷裂』の趣向を受け継ぎ、妾の萍(うきくさ)の怨みが金魚に憑く展開がみられる。

▽関連

藻の花



 要約や誤解のせいでちょっと変容してしまった感じでしょうか。みのもんたはアカン……。