出歯男

■出歯男[でばおとこ]

▽解説

 中岡俊哉(1926~2001)の著作で紹介されている妖怪です。

 この妖怪は墓穴掘りの男が死霊の祟りを受けたもので、出歯に松明を咥えて現れ、人間を捕えては葛籠に押し込め墓穴に埋めてしまうといいます。
 また、埋められた人間は出歯男を呪いながら死んでいきましたが、出歯男はその呪いを受けつけなかったとされています。

 挿絵には十返舎一九作、歌川国芳画の合巻『化皮太鼓伝』(天保四年)の一場面が用いられています。
 ここに描かれた出歯の化物は、狐の財宝を強奪する盗賊のひとりで、作中で名前は明かされず、当然上記のような説明もありません。
 妖怪「出歯男」は昭和になってから創作されたものと考えられます。




 原典ではただのモブキャラなのにやたら強い奴になってて大出世感ありますね。知名度低いですけども。