■トント昔コ[-むかし-]
▽解説
山形県最上郡最上町に伝わる妖怪です。
昔、ある童(わらす)が「トント昔コ、トント昔コ聞くでェ」とあまりにせがむので、年寄りが一晩に百もの昔コ(昔話)を語ったことがありました。
すると、「トント昔コ」という化物(モコ)コが出てきて、童に「昔の赤塩(あがしし)コ」をつけてペロッと呑んでしまいました。
このようなことがあるため、昔コはあまり語るものではないとされました。
▽関連
・百物語
子供がしつこいからってぶち切れて一ぺんに百話も語っちゃう年寄りもどうかと思います。
コメント
コメント一覧 (4)
要するに昔々うっせーぞと少しは自重しろよとそういう話ですか?
見慣れるまでちょっと違和感あるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。
今でこそ本になってまとめられたりしますけど、昔は口伝で記憶を頼りに語るのが基本だったろうし、あまり頻繁に昔話を要求されると早々にレパートリーが尽きてしまうということもあったでしょう。だからガキはほどほどにしておけよ……という大人の事情が生んだ妖怪、なのカモ
なんにせよ化物の名前が「トント昔コ」そのものっていうのが面白いです。
元の話からして子供を食う化物が出た!というシンプルといえばシンプルなものなので、人をペロッと食べる・子供が怖がりそうなヤツを、というイメージで浮かんだものをパッと形にしてみたような次第です