■福太郎[ふくたろう]
▽解説
明治18年の『絵入自由新聞』などに記事があるものです。
東京は本所緑町にある成田不動堂の堂守を務める和尚は、福太郎と名付けた鸚鵡のような鳥を飼っていました。
福太郎は人の言うことをよく聞き分け、言葉を話すのみならず、どんな難しい漢字でも音訓ともにすらすらと読むことができました。
この鳥を一目見ようと多くの見物客が詰めかけたといい、『絵入自由新聞』の記者も噂を聞いて不動堂へ取材に赴きました。
記者と対面した堂守が「この人は商人か職人か」と問いかけると、福太郎は頭を振って「いやいや、この方は新聞社の探訪さんなり」と答え、見物客たちを驚かせたといいます。
評判を聞きつけた香具師が五百円で福太郎を買い取りに来た時には「見世物に出ると口はききません」と福太郎自身が売られることを拒否したので、和尚も望み通りそのままにしておいたといいます。
また、福太郎は魚は食べなかったそうです。
かしこい! 魚たべないのに頭いい!
コメント
コメント一覧 (2)
最期に「愛してるよ、ママ」と言い残して死んだという話を聞いた事があります。
福太郎の話もそれに類するものなのかなと思いました。
実際のとこは偶然最期にその言葉を発しただけとか、この福太郎にしたってよく調教されてただけかも知れませんが、体験した人たちがそれをどう捉えて、どういう切り口で紹介していくかによって妖怪になったりならなかったりするんだろうな~と思います