■おサゴさん
▽解説
新潟県西頚城郡青海町に伝わるものです。
青海町八久保にある松原の洞穴には「おサゴさん」と呼ばれる猿がいました。
この猿は糸魚川域へ入っては様々な道具を持ってきており、村人は婚礼や法事のときには、鶏や兎と引き換えにお膳やお椀を入用だけ貸してもらっていました。そしてこれらは用が済み次第、きちんと返していました。
ところがある村人が借りたお椀の一つを返さなかったため、それきりどんなに頼んでも猿は膳椀を貸してくれなくなりました。
そればかりか、毎晩辺りの家へ石を投げたり、田畑を荒らしたりするようになり、やがて棲み処の洞穴にも火を着けてどこかへ行ってしまったといいます。
コメント
コメント一覧 (2)
糸魚川って川の名前じゃないんですね、異界につながって云々かと思いましたが、糸魚川藩ってのがあったらしいですから青海町のほうがちょっと隔絶した所にあって、お猿さんだけは人に混じって売買、もとい盗(ry
膳椀を貸さなくなってから棲み処を焼き払うまでの荒れ狂い様は壮絶
零落した祭事を司る一族の末裔(お猿さん化)は姿を消し、その村から祭事がぷっつりと途絶え、お供え物を求めて悪霊が跋扈し・・・と壮大な妄想がはかどりましたヽ(*゚ω。)ノ
馴染みがない地域だと字面にイメージを引きずられますな。
おサゴさん、元は人間として語られてたものだったりして…なんて思いますね。物持ちのいい猿顔の人があるとき無茶苦茶怒ったって話がいつしかお猿の椀貸しの話に、みたいな。