首切れ馬

■首切れ馬[くびき-うま]

▽解説
 
 首のない馬の妖怪で、首なし馬、首切り馬などとも呼ばれます。
 日本各地に伝わっていますが、四国(特に徳島県地方)の伝承がよく知られています。

 その内容は多様であるものの、大部分は特定の日時および場所に首のない馬が出没、徘徊するという点で共通しています。
 首のない馬が単独で現れる場合と、神様や首のない人間、夜行さんという妖怪を乗せて現れるとする場合があります。
 首切れ馬に出会うとよくないことがあるといわれる一方で、愛媛県玉川町などのように出会うと縁起が良いとする地域もありました。

 首切れ馬の由来を説く話も様々に伝わっており、姫にかわいがられていた馬が嫉妬を受けて斬殺される、乗っていた六部と共に殺される、寺院に押し入ってきた盗賊に殺されるなどした馬の祟りが出現の原因とされているものがあります。