蛇帯

■蛇帯[じゃたい]

▽解説

 『今昔百鬼拾遺』に描かれている妖怪です。

 屏風にかかる帯が舌を出す蛇のような形をあらわす様が描かれ、「博物誌に云、人帯を藉て眠れば蛇を夢むと云々。されば妬める女の三重の帯は、七重にまわる毒蛇ともなりぬべし。 おもへどもへだつる人やかきならん身はくちなはのいふかひもなし」とあります。また、屏風のもとには枕と櫛が置かれています。

 石燕が引用した『博物誌』は中国晋代の張華によるもので、この妖怪は嫉妬の邪心と蛇身、蛇体と蛇帯のような語呂合わせを主題として創作されたものと考えられています。
 蛇が帯に化ける、帯が蛇と化すといった伝承や、百鬼夜行絵巻の類に描かれている衣桁にかかった帯の蛇などもモチーフのひとつではないかと推察できます。


▽註

・『今昔百鬼拾遺』…鳥山石燕の妖怪画集第3作。安永10年(1781)刊行。