青行燈

■青行燈[あおあんどう]

▽解説

 『今昔百鬼拾遺』に描かれている妖怪です。

 般若のような顔の妖怪が行燈の後ろに立つ姿が描かれており、行燈のそばには裁縫道具や文、櫛と簪などが置かれています。
 解説には「灯きえんとして又あきらかに、影憧々としてくらき時、青行燈といへるものあらはるゝ事ありと云。むかしより百物語をなすものは、青き紙にて行燈をはる也。昏夜に鬼を談ずる事なかれ。鬼を談ずれば怪いたるといへり」とあります。

 百物語には青い紙を張った行燈を使うとされており、これに関連付けて鳥山石燕は灯火が消えてから現れるものの名を青行燈としたようです。


▽註

・『今昔百鬼拾遺』…鳥山石燕の妖怪画集第3作。安永10(1781)年刊行。


▽関連

百物語