猫神

■猫神[ねこがみ]

▽解説

 中四国地方などには、犬神と同様の性質を持つ憑物として猫神と呼ばれる妖怪が伝承される地域があります。

 『茅窓漫録』には「西国雲州辺りに狐蠱犬蠱あり。俗に犬神といふ。四国に蛇蠱あり。俗に土瓶といふ。備前、備後の猫神、猿神、東国は上州南牧のおおさき使、信州伊奈郡のくだ、皆此ノ種類なり」という記述があります。

 愛媛県南宇和郡城辺町では犬神や猫神の家があり、犬猫を殺して埋め、それを祀って願いをかなえてもらうといいます。


▽註

・『茅窓漫録』…茅原虚斎の随筆。文化年間に写本として出回った他、天保4年(1833)の版本が広く流布した。


▽関連

犬神