蒟蒻の幽霊

■蒟蒻の幽霊[こんにゃく-ゆうれい]

▽解説

 「蒟蒻の幽霊」とは、いつもぶるぶる震えている様子、または不安定な様、頼りない様をたとえた言葉です。

 『怪談模模夢字彙』には、この諺を基にした「こんにゃくの幽霊」が描かれています。
 その他、黄表紙『揚屋町伊達豆腐屋』も、作中に豆腐ばかり出てくるのを恨んだ蒟蒻の幽霊が登場しています。
 河鍋暁斎は戯画『狂斎百図』に、桶から出た蒟蒻が集まって幽霊と化した姿で「こんにゃくの幽霊」を描いています。


▽註

・『怪談模模夢字彙』…山東京伝作、北尾重政画。享和3(1803)年刊。妖怪図鑑的書物のパロディで、言葉遊びなどから創作した化物を紹介。
・『揚屋町伊達豆腐屋』…黄表紙。恋川好町作、歌川豊国画。寛政6(1794)年刊。


▽関連

幽霊





 これとは別に「蒟蒻幽霊」もいるのでお間違えなきよう。