蝦蟇

■蝦蟇[がま]

▽解説

 蝦蟇はヒキガエルの俗称で、日本や中国では古くから怪異をなす生き物であると考えられてきました。
 人間などの姿に変化する、怪火を灯す、人に取り憑く、箱などに閉じ込めておいても必ず抜け出す、海に入ってメバルになるなど、様々に伝えられています。

 江戸時代の随筆『耳嚢』には、足が前を向いているのは普通の蝦蟇であるが、指先を後ろに向けているものは必ず怪異をなすものだ、という記述があります。


▽註

・『耳嚢』…根岸鎮衛の随筆。天明から文化にかけて全十巻1000編が書かれた。話題は多岐にわたるが怪異譚の類も多い。