■河童[かっぱ]
日本の代表的な水辺の妖怪です。
全国的に分布していると考えられ、川太郎、ガラッパ、シバテン、メドチ、ヒョウスベ、祇園坊主など、様々な呼び名の妖怪が「河童」として括られる場合があります。
利根川の禰々子や筑後川の九千坊など、固有の名前を持った河童もいます。
「河童」という語が川に出没する妖怪の総称のように機能している面があるため、性質も地方によって異なっていますが、大の相撲好きであることや、キュウリなどの夏野菜、人間の肝、尻子玉(肛門付近にあるとされた臓器)を好んで食べるという点は共通していることが多いようです。肝や尻子玉を取るという性質は、溺死体の肛門括約筋が弛緩し、腹が膨れてしまった様を見て、河童が手を入れて臓物を引き抜いたのだと想像されたからといわれています。
江戸時代の黄表紙などでは、この尻子玉を取るという伝承から、男色趣味の妖怪というキャラクター設定をされることもありました。
外見も各地で様々に伝えられていましたが、現在では頭頂部に水を溜める皿、背には甲羅、指の間には水かきがあり、嘴を持ったイメージが一般化しています。
しかし、それ以前には子供のような姿のものから亀やスッポンのような姿、あるいは猿のような姿であったりと、地域レベル、更に言えば家庭、個人レベルで様々な河童像が存在していました。
▽関連
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・荒川弾正
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