■猫神[ねこがみ] ▽解説  中四国地方などには、犬神と同様の性質を持つ憑物として猫神と呼ばれる妖怪が伝承される地域があります。  『茅窓漫録』には「西国雲州辺りに狐蠱犬蠱あり。俗に犬神といふ。四国に蛇蠱あり。俗に土瓶といふ。備前、備後の猫神、猿神、東 ...

■犬神[いぬがみ] ▽解説  代表的な憑物のひとつで、主に中国地方西南部、四国や九州の農村地帯でいうものです。  犬神を使役する者や犬神の憑いている家は犬神持ち、犬神筋などと呼ばれました。  人為的に作られる憑き物とされることもあり、その場合にはいくつか ...

■野風[のかぜ] ▽解説  文化9年(1812)刊の神屋蓬洲の読本『天縁奇遇』に登場する悪女です。  野風は夫である横島軍藤六と共に悪事を重ねていましたが、その報いを受けて体中に口が生じてしまいました。  赤松常祐は鬼塚道見に討たれ、お家再興を託さ ...

■手長婆[てながばばあ] ▽解説  青森県や千葉県北部、茨城県南部でいう妖怪です。  青森県三戸郡田子町ではいわゆる手長足長伝説の類として語られています。大昔に貝守ヶ岳の頂上に棲んでおり、そこから八戸の海まで手を伸ばし貝を取って食べていたといい ...

■にがわらい ▽解説  松井文庫の『百鬼夜行絵巻』などに描かれている妖怪です。  同系の化物尽くし絵巻に描かれる「いそがし」や「はぢかき」などのように、人の様子や仕種を妖怪名に用いたもののひとつです。  その姿は大徳寺真珠庵の『百鬼夜行絵巻』に ...

■為何歟[なんじゃか] ▽解説  湯本豪一氏所蔵の化物尽くし絵巻に描かれている妖怪です。  腹から下、足首までしか見えない男で、指の形状や尻尾が獣を連想させる奇怪な姿をしており、「為何歟」という名前も正体不明であることを表しているかのようです(「 ...

■通り悪魔[とお-あくま] ▽解説  通り者、通り魔とも呼ばれる妖怪です。人に憑いて乱心させ、殺人や自殺に導くといいます。  『古今雑談思出草紙』には次のようにあります。  加賀のある武士が夕方に剃刀を研いでいました。  その際ふと障子の隙から外 ...

■樹木子[じゅぼっこ] ▽解説  水木しげるの著作や、その他妖怪関連の書籍で紹介されている妖怪です。  多くの戦死者を出した戦場跡などで血を吸った樹が妖怪と化したもので、通行人を枝で捕えて血を吸うといいます。  この妖怪の具体的な伝承地や出 ...

■目玉しゃぶり[めだま-] ▽解説  南條武『完全図解 妖怪ミステリー』やその他の児童書などで紹介されている妖怪です。986年に近江瀬田の唐橋に現れたとされています。  橋に立つ美女が旅人に箱を渡し、中身を見ず橋の袂にいる別の女に届けてほしいと言います ...

■がしゃどくろ ▽解説  児童書などで頻繁に紹介されている巨大な骸骨の妖怪です。  戦死者や餓死者の恨みが集まって巨大な妖怪となったもので、夜間にがしゃがしゃと音を立てながらその姿を現し人間を襲うといわれています。  この妖怪は昭和期に創作 ...

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