■綿ほうし[わた‐]▽解説 作者、制作年代不詳の化物尽くし絵に描かれている妖怪です。 その名の通り白い綿のような姿の妖怪で、この図を掲載した『怪 0032』には「ぬっぺっぽうの同族か」とのキャプションがありますが、類例も見つかっておらず現時点では詳細不明です ...

■尻目[しりめ]▽解説 宮川春水の『怪物図巻』に描かれている妖怪です。 顔に目がなく、尻の辺りに大きな目がある獣の姿をしています。 人型で尻に目のある妖怪が同じ「尻目」という名で知られていますが、こちらは『蕪村妖怪絵巻』で「ぬっぽり坊主」とされている妖怪 ...

■目だらけの化物[め‐ばけもの]▽解説 山梨県甲府市に伝わる妖怪です。 西山梨群玉諸村、三の宮の西方およそ二町の所に、大橋あるいは行逢橋と呼ばれる古い橋があり、昔はそこに目だらけの化物が出たといわれています。 ある男が夜遅くにこの辺を通りかかり、子を抱い ...

■ぬっぽり坊主[‐ぼうず]▽解説 『蕪村妖怪絵巻』に描かれている妖怪です。 絵巻には人型で、顔に目鼻がなく、尻に目が一つある裸の妖怪が侍の前に現れた場面が描かれています。 詞書には「京かたびらが辻ぬつほり坊主のばけもの。めはなもなく、一ツの眼、尻の穴に有 ...

■尻目[しりめ]▽解説 水木しげるの著書などで紹介されている妖怪です。 尻目は昔、京都の路上に現れたといわれています。 ある夜に侍が歩いていると、何者かが「ちょっと、ちょっと」と呼び止めました。 何者かと身構えていると、その男は突然着物を脱いで素っ裸にな ...

■百頭[ひゃくとう]▽解説 仏教説話に登場する、百の獣の頭を有する大魚です。 出典は『賢愚経(賢愚因縁経)』巻第十「迦毘梨百頭品」第四十四で、日本では『今昔物語集』巻二がこの話を紹介しています。 『今昔物語集』「畜生の百の頭を具せる魚の語(畜生具百頭魚語) ...

■十面のおやじ[じゅうめん‐]▽解説 『怪談摸摸夢字彙』にある妖怪です。 夜遊びに出て、酔って帰宅した息子の目に映るものは、何もかもがちらちらとして鮮明でなく、親父の顔すら十もあるように見えてしまいます。 息子に甘い母親は、立腹する父親の傍で「今度ばかり ...

■サエゾ坊[‐ぼん]▽解説 富山県礪波市に伝わる妖怪です。 サエゾとは腸チフスのことで、これが重症の時には病人の足許に沢山のボン(坊さん)が来て、体を押さえたり揺すったりしているといいます。 気力でこれを追い払えれば病状が回復するとされました。 「伝承妖 ...

■マジムン▽解説 沖縄県や奄美群島などでいう妖怪類の総称で、「蠱物(まじもの)」を琉球の言葉で発音したものです。 怪異の態様により様々に呼び分けられることもあり、赤子の霊であるアカングヮーマジムン、家鴨のアフィラーマジムンや豚のウヮーグヮーマジムンなどが紹 ...

■八面の狸[やつづら‐たぬき]▽解説 高知県吾川郡池川町に伝わる妖怪です。 昔、ハヅマの滝の辺りには八つの頭がある「ヤツヅラのタヌキ」が棲んでいて、井の谷の綺麗な娘さんを毎晩食べに来ていました。 ある時、この地を訪れた狩人が宿を乞いましたが、家の主人は「 ...

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