■豚息子[ぶたむすこ]▽解説 九州や沖縄には豚と人間の異類婚姻譚が伝わっています。 その一例として、宮地武彦編『蒲原タツエ媼の語る843話』(平成18年)から、佐賀県嬉野の蒲原タツエ媼が語った「豚息子(豚婿入り)」という話を紹介します。 昔、ある所に子のない夫婦が ...

■豚化け美女[ぶたば‐びじょ]▽解説 沖縄では豚が人間に化けて現れるという伝承があり、中頭郡与那城町(現・うるま市与那城)の民話集『よなぐすくの民話――おじいさん・おばあさんが語った――』(与那城村教育委員会、平成元年)では、「豚化け美女」という題で次のよう ...

■猪婿[いのししむこ]▽解説 中四国地方では「猿婿入」型の昔話のひとつとして、猪と人間の娘が婚姻する話が伝わっています。 広島県比婆郡敷信村での例です。 昔、爺さんと三人の娘が暮らしていました。爺さんが荒れた畑を耕そうとしていると猪が現れて、娘のうち一人 ...

■海の猪[うみ‐いのしし]▽解説 種子島に伝わる昔話では、鯨はもと陸に、猪は海に棲んでいたと語られています。 昔、鯨は陸に棲んでいました。 ひとたび獲物を求めて野原や山を歩き回ると、木々は押し倒され堤は崩れて洪水が起こり、兎でも取り逃がそうものなら地団太 ...

■山鯨[やまくじら]▽解説 肉食禁忌の意識がまだ根強かった江戸時代後期、獣肉を売り、あるいは食べさせる店(ももんじ屋)では猪のことを「山鯨」という隠語で呼びつつ、公然と客に提供していました。猪肉が鯨肉に似ていたため、また鯨の一種すなわち魚の肉であるというこ ...

■猪の怨霊[いのしし‐おんりょう]▽解説 宮負定雄『奇談雑史』には、熊野本宮大社の神官である竹内太夫が語ったという「猪の怨霊の事」なる話があります。 文化(1804~1818)年間のことです。 奥州某所にひとりの狩人がいました。彼は猪や鹿を獲物として、山中に造った ...

■猪の化物[いのしし‐ばけもの]▽解説 大町桂月著『絵入訓話』(大正5年)の「百鬼晝行」で紹介されている四十一種の人の気質を風刺した妖怪のうち、四十番目に挙げられているものです。 平福百穂による挿絵では二本足で立つ猪の姿で描かれています。 筆者は「猪の化物」 ...

■為篠王[いざさおう]▽解説 淡路島の先山にある千光寺の縁起に登場するものです。 延喜元年(901)のことといいます。 播州上野(宍粟郡)の深山に為篠王と呼ばれる大猪(背に笹を負っているとも白い大猪ともいわれます)が出没し、山野を荒らしまわっていました。 猟師の忠 ...

■猪石[ししいし]▽解説 『出雲国風土記』に記されているものです。 あるとき所造天下大神命(大国主神)が狩りをして猪を追ったところ、二頭の猪とそれを追っていた犬が共に石と化しました。その形は猪、犬に異なるところがなく、それが後の世にも残っていたためこの地を ...

■白猪[しろい]▽解説 『古事記』には、倭建命(ヤマトタケルノミコト、日本武尊)が白い猪に出会ったことが記されています。 尾張国造の娘・美夜受比売を娶った倭建命は、近江国の伊吹山にいる神を討つため出かけました。このとき、日本武尊は素手で神と対決するべく、伊 ...

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